CHIHIRO ODA

  • 2019.09.26
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SOW オフィスエントランス装花

このエントランスにある装花空間を見たとき、囲われた黒いフレームに強い印象を感じた。
そこで、このフレームを既存の建物が持つ建具として見てみる。
そうすると、そこはただの装花空間ではなく、この新大手町ビルの”中庭”と捉えられる。

赤瀬川原平の『宇宙の罐詰』(1964年)という作品がある。
蟹缶の中身を食べて空にし、ラッピングのシールを内側に貼り付けて封をしたものである。その瞬間から、蟹缶の内側に世界は梱包され、インサイドアウトされてしまった。

先程、そこは”中庭”と表現したが、その庭空間が外の世界で、カーテンと黒いフレームで仕切られたこちら側は、内側の世界、と言うのが相応しいのかもしれない。

人が通り過ぎるたびに揺れるカーテンが、時折小さな宇宙を覗かせる。